例えば

まんまるの大事な大事な宝石があって。
それはもう大事にしていたよ。
その宝石が世界で一番美しい物だって思ってたし
その中に時折みえる不純物さえ見ないようにするくらい。

その宝石が壊れたのは突然だったよ。ちょっと端が欠けて。
最初はすぐに受け入れることが出来た。
「壊れちゃった どうしよ。」
だけど だんだん考えてくうちに矛盾に気づいていったんだ。
「え?宝石が簡単に壊れるの?ガラスだったの?
え?世界で一番美しいんじゃないの?何か混じってたの?」
かけたガラスのかけらを拾う人がいて、くっつければ元通りだと言った。
でも それは宝石じゃないし世界一美しいこともないありきたりなガラス玉だって知ってしまった。しかもくっつけたところはひびが見えるよ。まんまるじゃないよ。
どんなに強力接着剤でくっつけても未来永劫ひびは消えない。
それでも前のようにその宝石を大事に大事にしろって言う?
そうだよね そうだよね
本当に それを愛しているならたとえそれがガラス玉で
ひび割れだとしても気持ちは変わらないはずだよね。

気持ちが試されてる。
「おまえの気持ちは本物か」