入院十日目

隣の病室の方が亡くなられたようだ。
ずっと旦那さんが一緒に泊まっていて、今日は朝からお孫さん達と思われる若い人が沢山見えていて、芳しくはないんだろうなという雰囲気はあった。お顔さえ見たことはなかったけど皆に愛されとったんやなてことくらいは察すれる。
何の病気かもなんにも知らない。私は突然のことで衝撃を受けてる半面冷静に、廊下に出る訳でもなく様子を伺っている。
また自分のおばあさんのことを思い出す。私が幼稚過ぎて大事にちゃんとできなかったおばあさん。
今ならもっと、あんなことや、こんなことや、大切に出来るのに。いまさら何をしても何を思っても永遠に叶わない私の償い。思い出した。