MVPと複雑な乙女心

かれこれもう半年以上親子でサッカー教室に通っている。隣のひーくんちに教えてもらって通い始めた初めてのスポーツ教室。サッカー教室というよりも全身を使う体操や運動を教えてくれて、最後に楽しくサッカーのゲームをするという感じだ。最初は真緒、コーチに話しかけられるだけで私の後ろに隠れて固まってしまってた。思えば、パパ以外の大人の男の人に何かを教えてもらうのは慣れていない。仲のいい女の子のお友達が来たときはテンション高くて積極的にもなるんだけど、何か月かはこの調子。
 ある日、コーチが初めて名前を聞いてくれて、呼んでくれた。そして真緒が何か少しでも言われたことをすると「お!真緒うまいぞ!」と見つけて誉めてくれるようになった。そしたらやっぱり変わった。子供は誉めてもらうために行動する生き物だとつくづく思った。恥ずかしいくせに何かができたりすると誉められたいオーラを全身から放つ。あんまりあからさまなオーラなので私までドキドキする・・。誉めてくれるだろうか・・って。めんどくさい親子です。
 コーチ問題が解決すると今度は「パパに見てほしくない・・」と言うようになった。恥ずかしいらしい。親子サッカーだし、パパもサッカー大好きでうまい人と(時々、元日本代表のなでしこさんとか、プロサッカー選手とか、サッカーに限らずいろんな競技のコーチ陣が参加してくれたりする)ゲームするの楽しそうだし、何よりパパ分もお金払ってるしそんなこと言ってほしくないんだけど・・。体操もウダウダ、ゲームも途中でパパが見てるのを確認しながらの参加、パパと目が合おうものなら半泣きでママのところへ帰ってくる始末。でも私は、何か別の理由があって、それをパパのせいにしてるんだと思ってた。だって普段めっちゃ仲良しなのに。
 ある日、パパが用時事でこれない練習の日があった。真緒は別人になった。シュート練習は一番に並んでみんなの前で見本で蹴るは(勢い余ってボールの上でこけてたけど)、ゲームが始まるとガツガツボールを奪いにいくは、今までのうっぷんを晴らすかのようにもうすごかった。あぁ本当にパパが嫌だったんだね、真緒。
 そして最後のコーチのお話。「今日は真緒がとってもよく頑張って誰よりも走っていました。MVPです!」と言ってくれた。やった。パパにも見せてあげたかったなぁ。