人には人の事情があって。

宅配会社の下請けか何かでうちの会社のビルとかに郵便物をポスティングしている私より10くらい年上くらいの女の人がいる。夏休みでもないうちから女の子と一緒に配ってる。女の子はどう見ても小学生。
なぜだろうと、職場のおばちゃん連中のかっこうの話題の的だ。子供が引きこもりなら外へも出ないだろうから不登校か、日本人かどうか、とかなんだかんだ。
私もぼんやり不思議に思ってた。学校いかせなくっていいのかなぁとか。
今日、郵便担当の私が、ポストから郵便物を取りだしたところでその親子が到着して、また取りに来るのは面倒だったのでそのお母さんが仕分けしてくれるのを横で待ってた。すいません〜とと急いだ感じでバ−コ−ドを読み込んで私の分の郵便物を渡してくれた。ちょっとポストに入れる手間が省けたようで「よかったね-。この人待っててくれたよ。」と優しく娘さんに説明するのが聞こえた。その会話がなんだかすっごく娘さんを大事にしているように聞こえて、今までのぼんやりした邪推を後悔した。一般的に普通に見えないからってその人をマイナスにとらえるなんてすごく浅はかだったと。
人には人の事情があって、傍から見ただけでは人の何もかも分からないのに。
今もそりゃ、この人の事情は分からないし不思議には思う。私は本当に二度手間になるから待っていただけだったけれど、聞こえてきたあの言葉。あの言葉を言われたあの子はきっと言われる前よりちょっと嬉しくなっただろう。子供を少しでも嬉しい気持ちにしてあげたいって気持ち、私も分かるもん。私も今度は、ポストに入れる手間を省いてあげたいっていう気持ちでおんなじことをしようと思った。